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2015-01-24 20:31    アンティアカーズ
 夜ばなしの相手は、信忠のほかに信長の文官の村井貞勝以下の側近たちで、かれらはそういう信長を、ときどき不審におもった。  夜ふけになって、信忠は辞し、宿所の妙覚寺に帰って行った。  信長は、快く疲れた。やがて侍女にも手伝わさずに白綾《しろあや》の寝巻に着更《きか》え、寝所に入った。次室には宿直《とのい》の小姓がおり、そのなかに信長の寵童《ちょうどう》森蘭丸がいる。ことし数えて十八歳で、すでに童《わらわ》ともいえないが、信長の命令で髪、衣服をいまなお大人にしていない。森家は美濃の名門の出で、亡父可成《よしなり》はかつて斎藤道三に仕え、ついで織田家に転仕し、美濃兼山《かねやま》の城主であったが、浅井・朝倉との戦さで討死した。信長はその可成の遺児をあわれみ、とくに蘭丸を愛し、美濃岩村五万石をあたえ、童形《どうぎょう》のままで加《か》判《はん》奉行にも任じさせていた。  夜明け前、にわかに人の群れのどよめきと銃声をきいたとき、目ざとい信長は目をさました。 「蘭丸、あれは何ぞ」  襖《ふすま》ごしでいった。信長は、おそらく足軽どもの喧《けん》嘩《か》であろうとおもった。蘭丸も同時に気づき、「されば物見に」と一声残し、廊下をかけて高欄に足をかけた。東天に雲が多く、雲がひかりを帯び、夜がようやく明け初めようとしている。  その暁天《ぎょうてん》を背に兵気が動き、旗が群れ、その旗は、いまどき京にあらわるべくもない水色桔梗の明智光秀の旗であった。  蘭丸は高欄からとび降り、信長の寝所に駈けもどった。  信長はすでに寝所に灯をつけていた。 「謀反でござりまする」  蘭丸は、指をついた。そばに堺《さかい》の商人で信長気に入りの茶人でもある長谷川宗仁《そうにん》がいたが、宗仁のみるところ、信長はいささかもさわがない。両眼が、らん《・・》と光っている。 「相手は、何者ぞ」 「惟任《これとう》光秀に候」  と蘭丸がいったとき、信長はその癖でちょっと首をかしげた。が、すぐ、 「是非に及ばず」  とのみいった。信長がこの事態に対して発したただ一言のことばであった。どういうことであろう。相変らず言葉が短かすぎ、その意味はよくはわからない。反乱軍の包囲をうけた以上もはやどうにもならぬという意味なのか、それともさらに深い響きを信長は籠《こ》めたのか。人間五十年化《け》転《てん》ノウチニクラブレバ夢マボロシノゴトクナリという小謡《うたい》の一章を愛唱し、霊魂を否定し、無神論を奉じているこの虚無主義者は、まるで仕事をするためにのみうまれてきたような生涯《しょうがい》を送り、いまその完成途上で死ぬ。是非もなし、と瞬時、すべてを能動的にあきらめ去ったのであろう。  そのあと信長の働きはすさまじい。  まず弓をとって高欄に出、二矢《し》三矢《し》とつがえては射放ったが、すぐ音を発して弦《つる》がきれた。信長は弓を捨て、機敏に槍《やり》をとり、濡《ぬ》れ縁をかけまわり、あちこちから高欄へよじのぼろうとする武者をまたたくまに二、三人突き落した。