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2015-01-30 05:34    プラダ 財布 メンズ 青
 お濠のむこうの営内練兵場から、掛け声が聞こえる。新兵の教練かもしれない。あの兵隊さんたちも、これから満州へ送られていって死ぬのだろうか。  それにくらべてロシアの捕虜たちは、温泉に入って、酒を飲んで、ねえさんたちに贈り物をして、おまけに着物まであつらえて、いい気なものだ。 「戦争ゆうのはね、相手から闘う力をうばいとるのが目的なんよ」  担任の女教師の言葉を、ふと思い出す。 「そうやからね、闘う力をなくした俘虜のひとを悪う思うたり、いじめたり、からこうたりしたらいけんのよ。あのひとらも、自分のお国のために働いたひとらじゃけんね」  捕虜の第一陣がやってきたときの訓戒だった。 「ハーグ条約、ゆうのを知っとるひと。……あれ、一人もおらんのやね。このハーグ条約ゆうのはね、五年前にむすばれたんよ。ハーグゆうのはオランダの町の名やね。そこでむすばれた約束やけん、ハーグ条約ゆうんよ。どうゆう約束かゆうとね、戦争の俘虜を人道的に——ゆうことはつまり、やさしゅう扱《あつ》こうたげる、ゆう約束なんよ。この約束に、日本も仲間入りしたんよ。  そうじゃけん、わたくしたちは、それを見事に守ってみせにゃいけんのよ。外国じゃあ、まだ日本のことを野蛮国や思うとるひとらがおるけんね。そうやない、わたくしたち日本も文明の国やゆうことを、世界じゅうに見てもらわにゃいけんのよ。みんなも、そのことを忘れんと、おってね」  捕虜を嫌ったり怖がったりする自分のような考えかたは、文明の国の人間にふさわしくないのだろうか。  ねえさんのように、捕虜とたのしくお付き合いするひとたちのほうが、ハーグ条約を正しく守っているのだろうか。 「そうじゃけれど、怖いものは怖いけれ……」  おみつ[#「みつ」に傍点]はそうつぶやいて、足元からもうひとつ小石を拾い、しゃがんだ姿勢のままで水に投げ入れた。  とぷん。  水面に輪がひろがる。……  とぷん。  別のしぶきが隣りにあがって、新しい輪がひろがり、おみつ[#「みつ」に傍点]の輪と重なった。  おみつ[#「みつ」に傍点]は顔をあげて横を見た。  見た瞬間、おどろいて腰を浮かし、膝《ひざ》と胸のあいだにあったふろしき包みを、あやうく濠へ落としそうになった。